夢見るテレビジョンの感想

劇中音楽が素晴らしく私の好み。これに尽きる。

劇中音楽を聞きに来るだけでも、価値がある、と言いたい。音楽の素晴らしさを、この舞台の感想のすべてとしてもいい、それくらいの言葉で褒めたい。

どストライクだった。

 

私は、毎日、juiceのことを考えてるので、ラストの華やかで楽しい大合唱見ながら、juiceのことを思い出し、アンジュルムのオタクがうらやましくなった。自分のどストライクの歌を、自分の大好きなメンバーが歌うのだ、と想像したら、なんとしあわせなことか。

ハロプロの舞台見るたび、思ってるけど、そろそろ、juiceの舞台が見てみたい。

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総じて、かみこ。

 

特に前半〜中盤は、かみこの印象が強かった、気がする。とてもいい。

歌唱シーンが特に印象に残った。

歌があんなに伸びやかに歌える人とは知らなかった。ソロ歌唱、こんなに、揺るぎないとは。

歌の良さもさることながら、歌唱シーンの仕草がいちいち美しい。上半身、特に肩から腕、指先にかけての動かし方、しなやかで優雅。かみこが、こんなにしなやかに身体を動かす人とも知らなかった。

知らないことだらけ。かみこの歌唱シーンに驚かされた。嬉しい驚き。

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役を演じてるからか、武道館やホールコンで見かけるかみことは違う人に見える。

今日初めて見た、新人の舞台女優に見える。

だけど、確かに、見かけたことのある人。なのに、まったく違う人。

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あぁ、私は、今日、かみこに、やっと、出会えました、という、全くうまく言葉にできない気持ちがバーっと襲ってくる。

「いま、ふたたびの奈良へ。」という感じ。

知っていたつもりの人に、確かに知っていると思ってた人なのに、今この瞬間に初めて出会って、しかも初めて出会ったその瞬間に、見事に、鮮やかに、心奪われた、というような、そんな感じの、かみことの、ふたたびの出会い。まったくうまく表現できない。

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舞台セットのかわいさと、かみこの歌と、音楽の素晴らしさで、幕が開いてからの、これから始まる世界への、ワクワク感がすごい。まだ始まったばかりなのに、ああ、幕が開いてしまった、惜しい、とさえ思う。

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そうそう、そうこなくちゃ、ここで、そう、ここだぞ、ふなき!という、さすがふなっき、やっぱりふなっき。

りなぷーの、間。間の天才。

りかこの絶妙なLIFE!っぽさ。

高瀬さんのOSHIRI。立ち姿の美しさ。

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むろたんの動きと切替とほんのり微かなタカラヅカ娘役っぽさ。優美と軽さといつかの工藤静香を兼ねそなえてるの、素晴らしいと思う。

いろんな要素、どれもむろたんの本質と感じさせる。

優美さも動きのコミカルさも演じてるのではない、というか、演じてる感が薄いというか、いや確かに演じてるんだろうけども。むろたんがもともとタンスに蓄えてるものをちょろっと見せてくれてる感じ。余力を十分に感じる。

むしろ逆に普段から、自分を演じてるのでは?と思ってしまう。高田純次的。

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劇評で見かける「出色」という言葉は、まさにこのことを言うのかも!と思ったのは、かわむらあやのちゃんの、みつる。

かわむらあやのちゃん、出色です。いやぁ、みなさん、見てください。

(公演中、一箇所、うるうる泣きそうになったところがあったのだけど、けんいちろうさんとみつるさんのシーンだった気がする、たぶん。)

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かっさー、よかった。

なんとなく80年代のアイドルを彷彿とさせる、ゆるかわ。かわいかった。演技が特別うまい、というわけではないと思うんだけど、舞台の空気に溶け込んで馴染んで、うまいなあ、と思っちゃう。

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なっきぃの、演じる役の、ちょっと離れた遠くからの、世間や組織のしがらみから少し自由な、そういう立場からの、優しいまなざしが、まさに、ハロプロOGとしての、今のなっきぃと、現役ハロメンとの立ち位置でもあり、なんだか、とてもね、よかった。
ああいう風に、これからもハロプロのこと見守ってほしいなぁ、と思った。

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まあさもなっきぃも、ハロメンばかりのステージに出てくると、安心感がすごい。
場慣れしているというか、緊張してるのかも知れないけど、緊張してるかもな、とこちらが思うことさえない、どっしりさ、安定。

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そして、やはり、あやちょ。

あやちょの歩き方。冷たさ。冷たい悪が、華を持ち、艶っぽい舞台、めっちゃ好き。(そこまで悪役、というのではないけれども)

特に、冒頭、あやちょの登場シーンは、ライオンキングのスカーやリトルマーメイドのアースラ、湯婆婆に並ぶ、ワクワクする悪役?ヒール?が出てきたぞ、という高揚感。

音楽もいかにもミュージカルのひとくせある役の登場って感じの曲で、ライオンキングが始まったかのような高鳴りがあります。

もう一つ、私は歌舞伎が好きなので、大好きな大幹部の役者がやっとこさ舞台上に姿を見せたような、あの時と同じ気持ち。客席のみんなが待ってた人が、やっと出てきた、って感じがした。

来たーーーーー!!真打あらわる!!!感がすごい。

あやちょの歌声が聞こえて、スクリーンにあやちょの影が写った時の、「待ってました!」「たっぷり!」「日本一!」「あやちょ!」という大向こうがかかりそうな、高揚感。万雷の拍手で迎えたくなる。

出だけで喝采の拍手を浴びる。あやちょの出を見ただけで、満足じゃ、よし帰ろう、となりそうな、そういうあやちょの登場シーンでした。

かみこに対置されたあやちょ、それも悪役?として、大きな役者じゃないといけない。
大きなあやちょ。はぁ、あやちょ、好き。

あやちょだからこそ、あの役が生まれて、あの役に厚みが出る。これから始まる舞台でどんな華が咲くのか、ワクワク。

という、冒頭の、素晴らしきあやちょ。

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で、ここでは、特に触れなかったメンバーも含めて、適材適所、そのキャラクターを演じるハロメンは、あなたしかいなかったね、という気持ちで見ていた。

演出の方が、公式サイトに、アンジュルムにしかできない、というようなことを書いていましたが、まったくその通りで、あてがきなんですかね?

アンジュルムにしかできない、というか、あやちょのいる今のアンジュルムだからこそ、ものになるお芝居、と感じた。

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他の方の感想をちらっと読ませていただいたりして、もう少し、アンジュルムが演じている、ということを、意識して見てみようかな、と思っている。

なにか、感じ方、変るのかな、楽しみ。

演じ方を少しずつ変えるメンバーもいるだろうし、とにかく、また見に行けるのが、今は、楽しみ。

可憐でしなやかな、かみこに、また会えることも楽しみです。

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最後に劇中の音楽を、もう一度、たたえておきたい。

男と女の連呼やらなんやらで、途中、話の筋や登場人物の言動にイラッとし始めてしまう。(このイラッとした理由については、言葉にするのが難し過ぎたのでとりあえず放置。)

でも、しょっちゅう、歌を歌ってくれるので、劇中音楽に気持ちが向いて、都度、イラッはおさまる。まっこと、すばらしい、音楽。

ただ、モヤモヤは残り、舞台は、ラスト、大団円を迎える。しかも、大団円、デレあやちょという、ものすごいものが、われわれに下賜される。

『…なんだ最後の大団円…なんだそれは…最後の最後でデレあやちょを唐突に入れてきて…卑怯だぞ…終わりよければすべてよしじゃないんだぞ!認めないぞ!わたしは認めない!強い気持ち!』ってなるところで、劇中歌が歌い上げられ、そんな強い気持ちは、どこかにすっ飛ぶ。

劇中音楽が、とことん、ひたすらに、気持ちいいのである。

なので、もういいかな、ってなる。

『おとなしく舞台に浮かれて帰るね。デレあやちょで、サブストーリー、わたしの頭の中で勝手に考えよう。楽しかったね。サントラ買って、チケットも買って、近いうちにまた来るね。』